この歳になると結婚式よりも葬式に参列することが多いのは仕方ないのだが…
マナーブックを読むと地方別の香典の相場が書いてあったりするが
あんなものは何の目安にもなりはしない。
故人への気持ちを包むなどと奇麗事を言っても
現金である以上、少なくても多くても「えっ!?」と思われるものだ。
香典返しは3割返しや半返し(5割返し)が一般的で
それを見越して包むことが多い。
私は、この風習は馬鹿げていると父の葬儀のとき思った。
葬儀費用は想像していた以上に高額である。
いや、葬儀そのものの費用は、それほどでもないのだが
通夜振る舞いや遠方から来てくれる人達の宿泊に関する経費が大変なのだ。
父は一般庶民であったにも関わらず、通夜葬儀に300名以上もの方が参列。
互助会の担当が驚いていた。私も驚いた。
結局、戴いた香典はかなりの額で有ったけれど先に述べたような経費で全く残らず。
49日後に香典返しをするのだが、単純に香典袋に包まれた金額の半返しでは無く
花代も加算した上での半返しということを初めて知った。
故人の家族にとって葬儀後の手続きや処理は大変である。
本音を言えば
香典返しなんかに気を配る余裕なんて無いのだ。
割り切って戴いた金額に関わらず全員に同品を返す方法も有ったのだが…。
故人のことを思うと、それを選択することは出来なかった。
香典返しに費やした時間と労力を思うと最初から一切受け取らないように
する方法も良いのかも知れない。
香典を包んだなら必ず住所氏名金額を書くのがマナーだ。
遠慮しているのか格好付けているのか知らないが表に苗字だけを書く人がいる。
香典返しが当たり前となっている以上、それらを明確にしていないと
手間が掛かって仕方ないのである。
香典返しは不要ならば、その旨を書き添えるというようなことも
マナーブックには載っているが
『香典返しは必ずするものだ』と相手に
押し付けているようで、もしも私が受け取る側ならば
正直、良い気はしない。
PR